(1)原状回復とは
賃貸物件の「原状回復」とは、賃貸借契約が終了する際に、損耗やキズなどを借りる前の状態に戻すことを指します。費用負担に関しては、故意・過失によって傷をつけてしまった場合は借主が負担し、通常損耗や経年劣化については大家さんが負担することになっています。
しかし、近年、原状回復の費用負担についてのトラブルが数多く報告されており、このようなトラブルに巻き込まれないためにも、原状回復の定義やルールを正しく理解することが大切です。
(2)原状回復トラブルとは
借り主が賃貸住宅を退去する際に、ハウスクリーニングやクロス張替え等の原状回復費用として敷金が返金されない、敷金を上回る金額を請求されたという相談が国民生活センターに数多く寄せられています。
【最近の事例】
・賃貸アパートの退去時、ペットが傷をつけたと言われ、クロスの張替え費用を請求された。傷の写真を見たが、ペットが付けた傷かはわからず納得できない。
・賃貸マンションの入居時にルームクリーニング代を支払った際、「退去時のルームクリーニング代は不要」と言われたにもかかわらず、退去時に請求され納得できない。
・賃貸アパートを退去後、原状回復費用の清算書が届いた。入居時から傷ついていた床等の原状回復も求められ納得いかない。
・10年以上住んだ賃貸アパートを退去したらクロスの張替えなど高額な原状回復費を請求された。全額支払う必要があるのか。
出典:国民生活センターHP
【相談件数の推移】
2021年度 14,112件
2022年度 12,884件
2023年度 13,247件
出典:PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク)
年間、約13,000件のトラブルに対処するために、東京都では「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」、国土交通省では「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を作成しています。
今回はこれらのガイドラインに従って、原状回復の様々なケースについて解説します。

(3)原状回復の費用負担の例
原状回復費用の大家さんの負担部分と借主の負担部分は次のように分けられます。
【大家さんが負担】
・経年劣化や通常損耗によるもの
【借主が負担】
・借主の責任によってできた傷や汚れや手入れをしなかったことによる傷や汚れ
なかなかイメージしづらいので、以下に具体例をあげて借主、大家さんのどちらが原状回復費用を負担するべきか示します。
3-1床の汚れ・キズ
・日照などによるフローリングの色落ち→大家さん
・不注意で雨が吹き込んだことによるフローリングの色落ち→借主
・家具の設置による床のへこみや設置跡→大家さん
・引越しの際にできたひっかきキズ→借主
3-2壁・クロスの汚れ・キズ
・テレビ、冷蔵庫等の後部壁面の黒ずみ→大家さん
・日照によるクロスの変色→大家さん
・壁等の画鋲やピン等の穴→大家さん
・壁等のくぎ穴やネジ穴→借主
・結露によるシミ・カビ→借主
3-3その他
・通常使用時の設備機器の故障→大家さん
・日常の不適切な手入れもしくは用法違反による設備の故障→借主
・ペットによる傷や臭い→借主
・タバコのヤニによる変色や臭い→借主

(4)原状回復トラブルを回避するためにするべきこと
4-1入居時
現状の傷や汚れを見つけた時は写真を撮って管理会社に報告しましょう。
4-2退去時

通常、管理会社の立ち会いのもと、物件状況を確認することになりますので、借主の責任によるものがあれば、写真を撮り記録しておきましょう。後日、原状回復費の見積書が送られてきたら記録と相違ないか確認して、疑問があれば納得できるまで管理会社に説明を求めてください。
トラブルになりそうな場合は、国民生活センター「消費者ホットライン」などに相談することをお勧めします。
(5)まとめ
- 原状回復費用について、年月の経過による変化や普通に使っていて付いた傷などの修繕費用は、借主が負担する必要はないとされています。納得できない費用を請求された場合は、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」や東京都の「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」を参考に、貸主側に説明を求め、話し合いましょう。
- 退去時だけでなく入居時も、管理会社と一緒に部屋の状態を確認し、確認内容をメモしたり、傷や汚れの写真を撮ったりして記録に残しましょう。
- 契約する際は、契約内容や特約などをよく確認しましょう。
- 困ったときは、お住まいの自治体の消費生活センター等に相談しましょう。
皆さまに笑顔で暮らせるお部屋が見つかりますように!


チェンバース 代表 村井和仁
美濃市役所勤務30年を経て「笑顔で暮らせるお部屋探しを全力でサポート!」を理念に2021年に合同会社CHAMBERSを起業。「どこよりも安く」「どこよりも迅速に」「どこよりも親切・丁寧に」をモットーに業界最安値に挑戦中です。
合同会社CHAMBERS
宅地建物取引業免許
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